日本には、我々日本人が愛する独特な食べ物がたくさんあります。今回は日本人なら喜んで食べるけれど、外国人はドン引きしてしまう食べ物を5つご紹介します。
ごぼう
ごぼうは平安時代に中国から薬草として伝来しました。
ごぼうといったら、きんぴらごぼう、たたきごぼう、汁物や天ぷら、煮物にしても美味しいですね。ハレの日にも日常的にも日本ではよく食べられています。
韓国でもごぼうを使った料理はありますが、メニューも少なく日本のように日常的に食べられているわけではありません。
ごぼうを木の根と勘違いして裁判沙汰に!
独特な風味と食感が特徴のごぼうですが、食べる習慣がない欧州では、それらが受け入れられないようです。見た目も「木の根っこみたい」というひどい言われよう…。
そんなごぼうですが、こんなエピソードがあります。
太平洋戦争中、アメリカ人、オーストラリア人捕虜にごぼう料理を提供していました。そのことが、戦後になってから「日本で木の根を食べさせられた!虐待された!」と訴えられる事態にまで発展しました。
捕虜にごぼうを食べさせたために、日本人が罰を受けたのです。食文化の違いで引き起こされた悲劇です。
ごぼうは木の根っこではなくちゃんとした野菜です!外国人にも是非食べて美味しさを知ってほしいですね。
松茸
日本の高級食材の一つ、松茸。
「香り松茸、味しめじ」という言葉があるくらい、松茸って良い香りですよね。しかしこの香り、外国人には不評です。
うっ!履き続けた靴下のニオイがする…
うっ!お風呂に入っていない人のニオイだわ…
外国人にとってはかなり臭く感じるようです。
松茸は日本以外にも、中国や韓国、アメリカ、カナダと広く分布していますが、日本以外は「臭くて嫌」という理由であまり食べられていません。…高級食材なのに、なんだか理由が悲しい。
コーヒーゼリー
コーヒーゼリーの発祥については諸説ありますが、日本生まれのデザートです。コンビニ、スーパー、レストランなど、日本ではどこでも手軽に手に入るデザートですが、海外ではそこまでメジャーではありません。
もしも食べるとしたら日本食レストランなどへ行くしかないようです。
家庭で作るコーヒーゼリーのレシピはもともとあったのですが、有名になったのは1963年に長野県のミカドコーヒー軽井沢店で「食べるコーヒー」として初めて販売されてからです。
日本にいる時、コーヒーゼリーにハマってコンビニで毎日買ってた!
コーヒーからゼリーを作るなんて発想がすごい!
しかもたった3つの食材でこんなに美味しくなるなんて!
海外からも日本のコーヒーゼリーは好評です!
初めて日本に来てコーヒーゼリーを食べ、その美味しさの虜になってしまう外国人も少なくないほど、海外からのファンも多い印象です。
アイスコーヒーは日本にしかない?
2000年頃までは、コーヒーに氷を入れて飲んでいるのは日本人だけでした。こちらも諸説ありますが、アイスコーヒーのルーツは日本だと言われてます。
日本人がアイスコーヒーを飲むようになったのは明治時代。当時は、氷を入れるのではなく、瓶にコーヒーを詰め、井戸水につけて冷やしていたそうです。温かいコーヒーに氷を入れて溶かすと、味が薄くなってしまいますが、このやり方ならコーヒーの香りも味も消さずに楽しめます。夏にスイカや野菜を冷やすのと同じですね。この方式は日本発祥だと言われています。
当時の世界各国では、日本のように安全な水の確保が難しかったようです。加熱せずに飲むのは危険だということあったため、飲み物と言えばホットだったようです。
昭和時代になると多くの人に飲まれるようになっていきました。
アイスコーヒーが世界中で認知されるようになったきっかけは、スターバックスやマクドナルドといった大手チェーン店の存在が大きいです。アイスコーヒーを各国で提供するようになり、世界中でメジャーな飲み物となっていきました。
暑い時はやはりアイスコーヒーでしょう!
アイスコーヒーという言葉すらなかったのに、たった20年で世界中にアイスコーヒーが広まったなんて日本人として嬉しくなっちゃいますね。
馬刺し
「桜肉」ともいわれる馬肉ですが、日本以外にもイタリアやフランス、ベルギーなどで食べられています。しかし同じヨーロッパでも馬肉を食べることをタブー視されている国もあります。
たとえば、イスラム教徒やユダヤ教徒の一部では、豚肉と同様に、馬肉を食べることは禁忌とされています。
また、アイルランドやオーストラリアでもタブー。大手スーパーマーケットが扱っていたビーフハンバーガーから馬肉が検出されて問題になったこともあります。
アメリカやカナダ、イギリスでは、食用としての馬肉はあまり一般的ではありません。人間の暮らしに近い存在の馬を食べるなんて「愛猫や愛犬を食べるようなもの」という理由で食べない人が多いそうです。たしかに馬をペットとして飼っている国もあるくらいですし、日本でも乗馬や競馬に携わる人の中には、馬肉は食べないという人がいるのも納得です。
日本では馬刺しやユッケが日本食としてありますが、馬の肉を生で食べる国はあまりありません。やはり、加熱処理をしていないと衛生的に不安と考える人が多いからです。
日本で食べられる馬肉は、厳しい衛生管理のもとで製造や調理されているので安心です!馬肉は鉄分やカルシウムが多く、低カロリーで高たんぱくな素晴らしい食品です。
ふぐ
ご存知の通り、ふぐには猛毒があります。日本ではふぐの料理提供には「ふぐ調理師」の免許が必要です。
ふぐの毒には血清も解毒剤もありません!
ふぐ中毒の致死率は5~10%とされていて、致死率が高い!
そんな猛毒のふぐを生で食べちゃう日本人を見て、外国人はさぞ不気味に思ったことでしょう。それでも、「日本人が命を懸けてでも食べたいなんて、いったいどれだけうまい魚なんだ」とふぐの味が気になる外国人も多くいます。
アメリカ人が日本に来て、度胸試しでふぐを食すことがあるそうですよ。
それにしても、外国人も日本に来てふぐを食べるなんて、日本の高度な技術と知識、食の安全性が世界に認められている証拠ですね。
ふぐ中毒者続出でふぐ食禁止!
日本では昔からふぐ食が好まれていて、貝塚などからふぐの骨も見つかっています。そんな日本でもふぐ食を禁止されていた時代がありました。
1592年、文禄・慶長の役により九州に集結した武士の間で、ふぐ中毒で死亡するものが多くいました。それを受けて豊臣秀吉がふぐ食禁止令を発令しましたが、その間もふぐによる中毒死は絶えませんでした。それほど、ふぐの美味しさが広まっていたのでしょう。
そんな時代から、ふぐ食を解禁したのが初代内閣総理大臣の伊藤博文です。下関の春帆楼を訪問した際にふぐ料理を食べ、その味に感動し、山口県知事に働きかけて、ふぐを食べることを許可しました。それがやがて日本全国に広まったと言われています。
白子
白子は日本の伝統的な料理として食べられています。酢の物や汁物、揚げ物にしても美味しい、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。特に鮭やふぐ、鱈の白子が食べられています。ですが実際のところ、日本人でも苦手な人が多い印象です。
まずはその見た目のグロさが苦手という意見があります。
いやこれ、脳みそみたいじゃん…
確かに白い脳みそみたいで食べるには勇気がいりますよね。
そして外国人からドン引きされる一番の理由が、白子の正体が衝撃的だからです…。
白子は魚の精巣です。
日本人は男の睾丸まで食べるってこと!?
こんなものまで食べるなんてクレイジーすぎるよ…。
日本人って人間以外は何でも食べるんじゃない?
白子は日本のクレイジーな食べ物ランキングではいつも上位に入る常連です。
私自身も白子が何なのかよく知らないで食べていましたが、最近、精巣だと知って「日本人すげぇ…」と感心してしまいました。毎回思うのですが、必ず、「最初に食べた人」が存在するわけですよね。…なんでこんなもの食べようと思ったんだろう。
もしも日本に来た外国人に、何も知らせずに白子を食べさせ、「これなんだと思う?実はね、魚の精巣!」なんて言ったら、ブチ切れられそうですね。
まとめ
日本人が大好きな食べ物が、海外にも受け入れられて世界中に広まっていった物もあれば、「なんでこんなもんまで食べるの?」と受け入れられない物もありましたね。
やはり日本は世界中どこの国よりも、食に関する執念が強いと感じました。
「毒があるから食べられない」ではなく、「毒の部分を排除すれば食べられる」
「見た目からして気持ち悪い」を「食べたら意外と美味しいかも?」
そうやって、「何としても食べてやる!」と思うのは、おそらく日本人だけでしょう。
今回ご紹介した食べ物は、食のグローバル化が進んで世界でも食べられるようになってきています。次はどんな奇妙な食べ物を世界へ送り込むのでしょうか?そのたびに「また日本か…」と世界から面白がられるのでしょうね。
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