特養に老健、デイサービスにショートステイ、グループホームに有料老人ホーム…。介護系の施設ってたくさんあって、就職先に悩んじゃうな。
初心者はまずどこで働くべき?
初心者の方は最初に特養か老健での就職をおすすめします。
きっとどの施設でも重宝される介護士になれますよ!
特養と老健がおすすめな理由
一通りの介護支援を経験できる
特養や老健は介護度自立~重度という様々な利用者がいます。
そして当たり前ですが支援方法も利用者一人ひとり違うものです。
排泄介助の例を簡単に挙げると、これだけたくさんあります。
- オムツ交換
- トイレ介助
- ポータブルトイレ介助
- 尿器での介助
- カテーテル挿入者の介助
- ストマー造設者の介助
また、拘縮が強くてオムツを当てづらい方や、抵抗が強くて介助が困難な方など、本当にいろんなケースがあります。
食事介助、入浴介助においても、このように様々なケースを網羅できるのが特養、老健というわけです。
ユニット型より従来型
ユニット型では利用者は10人以下が原則です。
私は少人数のユニット型より50人以上の従来型をおすすめします。
周囲を観察する力、自ら考えて行動する力が身につく
ユニット型は利用者が少なく生活スペースが狭いため利用者の動きをすぐ目で追えて見守りができます。
しかし50人以上となるとどうでしょうか。
生活スペースが広くなり、ナースコールもそこら中で鳴り響きます。
今度は食事介助を例に挙げましょう。
一人で複数人の利用者を介助しながら広い食堂全体の見守りをする。
食べ終わった人の口腔ケアをしながら、トイレへ行きたいという人を誘導する。
ベッドへ臥床して、コール対応をして、まだ食べ終わっていない人の介助へ戻る。
想像してみてください。10人と50人とじゃ忙しさが違いますよね。
もちろん利用者が多い分、職員の配置も多いですが、「周囲を観察する力」「時間内に業務を終わらせるために自分がどう行動するべきか」など自分で考えて働く力が身につきます。
「〇〇さんは歯磨きに時間がかかるから、その間に□□さんを臥床しよう」
「3号室にA職員が臥床に行ったから、二人介助で同じ居室の〇〇さんを誘導しよう」
というように利用者の動きだけでなく職員の動きも観察し行動することが自然とできるようになります。
このスキルが介護士にとって非常に重要なのです。
介護技術の上達が早い
介護技術の上達には、単純に場数を踏むことです。
「移乗がうまくいかない」「オムツ交換に時間がかかってしまう」という実習生や新人職員の悩みをよく聞きますが、大丈夫です!
これらは毎日何十人も相手にする仕事。そのうち自然と身につくものです。
今後転職しても、どこででも通用するスキルが身につく
グループホームや有料老人ホームにはバルーンカテーテルをされている方や拘縮の強い方、ストーマ保有者はあまりいないと思います。
施設にもよりますが、介護度が低く、自分のことは自分でできる利用者が多いです。
職員は見守りするだけとか、軽介助で済む場合があります。
そっちの施設の方が楽でいいじゃん!
そう思いますよね、人間楽な道を選択したいものです、よくわかります。
でもちょっと待ってください。
私はずっとこの施設で働くんだ!という保証はありませんよね?
もしもこの先転職するとなったらどうでしょうか?
「もっと良い条件の施設に転職したい」
「人間関係がうまくいかないから転職したい」
「他の施設も経験しておきたい」
そこで選んだ先が特養や老健でしたら、きっと苦労することになります。
グループホームから転職したAさんの話
グループホームで5年間勤めていたAさんが私の職場の特養に転職してきました。
Aさんはオムツ交換の経験がほとんどなく、入浴介助は1日2人だけ。ストレッチャー浴もリフト浴も知らない。とのことで驚きました。
介護経験者ではあるけれど、オムツ交換はほとんどやったことがない。
そうなると新人職員のようにオムツの種類から当て方まで1から指導することになります。
入浴介助の流れもそうです。
Aさんのように身体的介護があまりない施設から、身体的介護がっつりという施設に転職したときには困りますよね。
介護経験者のAさんはもちろん、経験者だから即戦力になるだろうと期待していた施設側もです。
これはグループホームの業務が楽という話ではありません。
一通りの介護スキルを身につけていないと苦労するという話です。
まとめ
ここまで読んでいただいた方は、もうお分かりかと思いますが、従来型の特養や老健での仕事はとてもキツイです。
しかし最初のうちに苦労をして重点的に身体的介護を経験しておけば、この先どこへ就職しても即戦力になり重宝されますよ。
私の経験則ですが、これは派遣でも言えることです。
特養や老健での勤務経験があれば、どこへ行っても通用します。利用者と業務の流れが違うだけで介護の基本は同じです。
介護業界は万年人手不足。
資格がなくても引く手あまた。
ある程度スキルがついたら転職してもいいんです。
そこでの経験は自信につながり、決して無駄にはなりません。
ずっとそこに自分を縛る必要はないのです。
自分らしく気持ちよく働ける環境で咲いてください。
経験を積んで、これからの選択肢を増やすために、まずは特養、老健で働いてみてはいかがでしょうか。
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